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「アンコール」もくじ


日本語ガイドツアー

2024年初夏。アンコール・ワットもアンコール・トムも余りに広大だし、周辺に見どころもたくさんあって、自力ではとうてい見て回れないとわかり、現地発着のツアーを探したところ、シェムリアップで活動する公認日本語ガイドの団体「アンコール日本語ガイド協会」の存在を知った(アドレス下記)。年末のガイドツアーについて問い合わせたところ、シェムリアップは観光のハイシーズンにあたり、直前だとガイド不足で手配できない可能性もあるとのことだったので、半年以上前だが予約をお願いした。

協会のホームページは日本語で書かれていて、メールでのやりとりも日本語でOK、の点が本当に助かった。会長さんご自身が応対してくださったのだが、正確でていねいな日本語の返信をいただくたびに、自分の母国語の扱いについて再考させられた。

私たちはホームページのツアー案内の中から6点を選び、往復の空港送迎もお願いした。観光地によっては日本語のガイドツアーはまったくないか、あったとしても、お客さんの多い英語ツアーに比べてずっと高額なのが当たり前だが、同協会の料金は予想よりも手頃だった。旅行を終えた今はなおさら良心的だと感じている。

現地では毎日、同じガイドさんがお世話をしてくださった(ドライバーさんは慶事のため途中交代)。遺跡では歴史や伝承はもちろん、道中もカンボジアの人の日々や習慣などなど、たくさんお話を伺った。遠い国だったカンボジアが身近に感じられるようになった。

ガイドのSさんは20年以上前に来日し、日本語学校に通って日本語を習得されたそうだ。学校から帰るとテレビのニュース番組で日本語を勉強したが、しばらくの間、天気予報の「一時雨」が、「1時になっても雨が降らないのにどうしてイチジというのだろう?」と不思議で仕方なかった、とおっしゃっていた。外国の言葉の意味を会得することの大変さはもちろんだが、理解できた時のおもしろさや喜びも伝わってきたお話だった。

アンコール日本語ガイド協会ホームページ:https://www.angkor-jsg.com/

協会会長のOさん、ガイドのSさん、ドライバーのRさんとPさんのおかげで、シェムリアップ滞在がとても有意義で楽しいものになった。


ビザも遺跡公園チケットもオンラインで

観光目的でカンボジアに入国する場合、オンラインでビザ(査証)が申請できる。入国時に空港で取得する方が安いが、あらかじめ自宅で都合のいい時に落ち着いて手続きできるので、同国外務省のe-Visaシステムを利用して申請した(申請料はクレジットカード払い)。手順はわかりやすかったが、顔写真がなかなか認識されなかった。背景の色と顔の色との違いが小さいことが原因だったようだ。カラーから白黒に変え、コントラストを少し上げたらうまくいった。

遺跡公園の入場チケットの販売窓口はシェムリアップに1か所しかないため、入場チケットも旅行前にオンラインで購入しておいた。カンボジア政府下の団体「アンコール・エンタープライズ」が発券する、QRコード付きのデジタルチケットだ。私たちはアンコール遺跡公園の7日間有効チケット(次の画像)と、コー・ケー遺跡公園のチケットを購入した。遺跡の入り口で係員さんに提示すると、専用アプリでQRコードを読み取っていた。


お金のこと

カンボジアの通貨はリエル(KHR)だが、アメリカドル(USD)のお札も使える。他国のお金が普通に流通しているなんて、今思い出してもびっくりだ。1USDは4,000KHR相当だった。精算時、「お支払いはドルですか?それともリエル?」と聞かれることはめったになく、伝票の金額はドルがほとんどで、たまにドルの下にリエルが併記されていた。私たちはどこから見ても外国人観光客だから、わかりやすいようにドルを優先させているのかなと思ってガイドさんに尋ねたら、カンボジアの人も普段、ドル、リエルのどちらでも買い物するそうだ。

どこかに「大きな金額のお札だと、おつりがないと言われることもある」と書いてあったので、お小遣いとしてドルは20ドル札と10ドル札を少しずつ、あとは5ドル札と1ドル札をいっぱい持っていった。トゥクトゥクに乗ったり、ツアー中の食事やちょっとした買い物に小額のドルは重宝した。

現地通貨のリエルもいくらか必要だろうと思ったが、東京では扱っている両替店が見当たらなかったので、カンボジア入国時に空港で少しだけ両替した。もう少しお礼(チップ)を差し上げたいところだけれど、1ドル足すのは太っ腹すぎるかなという時、リエルの出番だった。

シェムリアップ市内のスーパーマーケット、カフェ、レストラン、大きなお土産屋さんなど、観光客が立ち寄るようなお店ではクレジットカードが使えた。カードの種類はMasterCard、VISA、JCBのいずれか、もしくはすべて使えるお店も多かった。ただ、最近、不正利用を防ぐためにカード会社が制約を強化しているそうで、どんなタイミングなのか利用者の私にはわからないが、使えたり使えなかったりするカードもあった。


ガイドさんから伺った話

上記「日本語ガイドツアー」でも書いたように、遺跡への道中、ガイドさんからたくさんお話を伺った。その中から特に印象に残った話を3つ書き留めておこうと思う。””内はガイドさんのお話。

【コロナ禍、根深く】

”シェムリアップの観光業はまだコロナから回復していません。ガイドの中にはガイド業をあきらめて農業に変わった人もいます。日本の旅行代理店もほとんどが撤退したままです。”
(ホテルでも同様の話を聞いた。繁忙期なのにコロナのせいでお客さんは戻ってきていない、と)

【時代は変わって】

(遺跡入り口の解説図を眺めながら)”クメール語、英語、日本語で説明が書いてあったんですが、少し前から日本語がなくなって中国語になっています。”
(ここでもか〜。がんばれニッポン)

【ビールに氷】

ガイドさん「カンボジアではビールに氷を入れますよ。」
私たち「え”え”え”???薄まっちゃわないですか???」
ガイドさん「薄くない、薄くない、冷えておいしいですよ。今度試してみてください。」
私たち「・・・」(これを書いている今でも試してみる勇気はないっす)


カシューナッツ

シェムリアップには地元の農産品を加工した、お土産にいいものがたくさんある。特にカンボジアは良質なカシューナッツの生産国とのことで、旅行前から楽しみにしていた。実が大きいことは知っていたが、まさかこんなに大きいとは(次の写真参照)。別々のお店で合計2パック買ったが、どちらもほんのり塩味がついていた。薄皮付きが普通だが、スーパーマーケットではきれいにはがしたものも売っている。評判通り、甘味が強い。脂肪分が少ないのかな、あっさりめだ。

↑左はシェムリアップのスーパーで買ったカシューナッツ。右は日本のお店で普段買っているカシューナッツ。

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