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チーズ


オランダはチーズ生産国であり、チーズ好きの多いことでも知られるだけあって、アムステルダムにはチーズのお店がたくさんある。専門店「カースハウス・トロンプ」では、チーズの香りと種類に圧倒され、ごひいきのスーパーマーケット「アルバート・ハイン」では、以前から好きだった銘柄がお手頃価格で買うことができて、すっかり満足した。チーズ店巡りをアムステルダム・ショッピングのハイライトに据えていたが、あっけなくこの2店で完結した。

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カースハウス・トロンプ

カースハウス・トロンプはアムステルダムを中心に10軒以上お店がある。このうち、ホテルから歩いて15分の繁華街にある、ユトレヒツェ通り店に出かけた。お店の中に入ると、甘さの混じったむんむんするような濃厚な香りに包まれた。床から天井まで、黄金色やベージュ色のチーズが山と積まれ、しばし見とれてしまった。

↑カースハウス・トロンプ・ユトレヒツェ通り店

ほとんどのチーズは小分けされ、ラップ材できっちり包装されている。種類にもよるが、分量は400g前後のものが多い。一部のチーズには賽の目に刻んだ試食品があり、食べ比べることができる。店員さんは英語が上手で(私はダメだが)、お客の好みに合ったチーズをアドバイスしてくれる。







↑イタリア産「ブルー61」。「ブルーチーズでオススメは?」と尋ねたら、店員さんは迷わず「こちらです」。黒っぽい土台に梅干しみたいなのがてんこ盛りになっているので、思わずギクリ。でも、何だかおもしろそう。詳しくは聞かないで買ってみたら・・・後述。

チーズだけでなく、サラミやオリーブの塩漬けなどなど、お酒のお供にグーなものがたくさんある。チーズ用の道具も品揃えが豊富だ。オランダの有名メーカーのスライサーとカッターを買ったが、ちょっと立ち寄った他店より安かった。


↑表面が真っ白になったサラミやハムも魅力的。でも、肉々しいものは日本に持ち込めないので、指をくわえて眺めているだけなのネ。

上述したように、チーズはきっちり包装された上で店頭に並んでいるが、購入した商品はさらに厚手の袋に入れ、しっかりぴちぴちに真空パックしてくれる。このままの状態で冷蔵庫に入れれば、ゴーダなど固めのチーズなら3〜4か月、カマンベールやブルーチーズのような柔らかいタイプなら2か月、保存できるそうだ。

↑真空パックされたカースハウス・トロンプのチーズ

帰国翌日、上に写真を載せたブルーチーズ「ブルー61」の封を開けた。袋の切り口から、シャンパンのような華やかな香りがふわっと立ち昇った。ねっとりとした舌触りで、チョコレートのようにスムースに溶けていく。チーズというより限りなくバターに近い。赤紫色の部分は半ばジャムになった果物で、ブドウの香りがする。初めて口にする食感で、こんな食べ物もあるんだねと、世界の食文化の広さにあらためて感心した。

どんなチーズなのか調べたところ、ワインにクランベリーを加えて3か月間漬け込んだ、特殊なブルーチーズだとわかった。

↑ブルー61。ポルトワインのような甘〜いデザートワインと相性抜群。

スーパーマーケット「アルバート・ハイン」

スーパーマーケット「アルバート・ハイン」のミュージアムプレイン店は売場が広く、各種チーズの入った大きな冷蔵庫が3台、コの字型にどぉおんと置いてある。我が家は「ベームスター」と「オールド・アムステルダム」のファンで、うれしいことに、このお店はどちらも置いている。しかも、スーパーならでのお手頃価格でますますうれしい。

アルバート・ハインでは多くのチーズに脂肪分レベルを表示しているので、脂肪分が気になる人には選びやすいだろう。30+のチーズはかなりあっさりしていた。低脂肪チーズの部類らしい。

↑ベームスター。脂肪分レベルは48+。熟成は12か月くらいかな。

↑上の写真のベームスターをスライサーで薄切りにした

↑オールド・アムステルダムのヤギ乳熟成チーズ。まろやかだ。

↑上の写真のヤギ乳チーズをカット

オランダからチーズを運ぶ

要冷蔵の食品であるチーズを、おいしい状態のまま日本に持ち帰るにあたってのポイントは、何といっても温度管理だろう。今回利用したホテルは客室に冷蔵庫があったので、帰国間際の空港ではなく、アムステルダム滞在中に市内のお店で買うことができた。飛行機は貨物室は言うに及ばず、客室もどちらかといえば寒いことが多いので、スーツケースに入れるにしても手荷物にするにしても、暖房が極端に効きでもしない限り、問題なさそうだ。成田空港から自宅に直行すれば、戸外に出る時間は普段の買い物と変わらない。夏、アムステルダム・スキポール空港のお店でチーズを買い、手荷物にしたことが何度かあるが、痛んだり変質したりすることもなく、おいしく食べられた。


チーズの冷凍保存

数百グラムの大きなチーズ塊も、小分けして冷凍保存するというテがある。

  1. 外側にワックスの皮膜など食べられないものが付いていたら、きれいに取り除く。
  2. チーズを1回分ずつに切り分け、ラップでしっかり包む。
  3. 食品保存用ポリ袋に入れて冷凍庫で保存する。1か月程度なら、風味そのままにおいしく食べられる。
↑小分けしてラップで包んだゴーダ。下に敷いてあるのはジッパー付きの保存用ポリ袋。

グラタンなどの具材として加熱するなら、凍ったまま刻んで使う。そのまま食べる場合は、3時間ほど前に冷蔵庫に移して解凍する。冷凍チーズを解凍すると、1時間ほどで風味が大きく落ちるので、一度で食べ切るのがオススメだ。ある日、飢えに駆られた私は、解凍まで待てずにゴーダを電子レンジでチン・・・こりゃあダメだ。チーズのおいしさを構成するあらゆる要素が崩壊したとでも言おうか。よいこはマネしちゃいけません。

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