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旅中・旅後

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お天気

夜から朝にかけては雨がち、お昼ごろから雲が途切れて夏の日差しになる、といった日が続きました。朝晩はもちろん、日中でも雲が多いうちは寒いくらいで、長袖シャツやジャケットを着ていました。物見遊山に燃える私たち観光客は、この程度の重ね着で十分ですが、地元の人はコートを着込んだり、マフラーを巻いたりしていました。

おもしろいのは、空気は肌寒いのに日差しは強く夏そのものという、東京では経験したことのない季節感です。高緯度でも夏の日差しは強烈でした(ベルギーの緯度はサハリン中央部とほぼ同じ)。


冬物バーゲン中

気温の低い時期が長く、6月も末になってようやく夏めいてくるからでしょう、商店街は「冬物」バーゲンセールにわいていました。お気に入りのアウトドアブランド、Jack Wolfskinの専門店も激々安で、ここぞとばかり買い込みました。旅行前にインターネットでお店の場所を確認しておいたのですが、バーゲン中とは知りませんでした。らっき〜〜。


Brussels Card

ブリュッセル到着の翌朝、観光案内所に寄ってBrussels Card(ブリュッセル・カード)を買いました。市内の公共交通機関は乗り放題、美術館・博物館のほとんどが無料か割引、協賛レストランでは特典の受けられる優待カードです。48時間有効のもので34ユーロでした(4,080円)。観光案内所はグラン・プラスの市庁舎の中にあります。庁舎に向かって右手の入り口に、'VISIT BRUSSELS'という小さな看板が出ています。

Brussels Card: http://www.brusselscard.be/


ファン・ゴッホ

運河沿いの木立。ダムにて。

ダムへ行った日は朝からかんかん照りで、レンガと敷石だらけの町は暑く、お昼過ぎには日向にいられないほどだったので、風車のそばの木陰に座って帰りの船を待っていました。運河の水面をなでた涼しい風が、ときおり思い出したように吹き過ぎていきます。風が向こう岸の並木を揺らすと、いっせいに葉がざわめいて水しぶきのようにきらきらと光りました。

さて、帰国前日はブルージュからアムステルダムに移り、ゴッホ美術館へ行きました。オランダ生まれの画家、ファン・ゴッホの作品を集めた美術館です。短いタッチでカンバスに置かれた絵の具が、うねうね、うねうね、どこまでも波打っています。厚く盛り上がった絵の具に反射したいくつもの光を追っているうちに、ダムで見た葉のきらきらと重なっていました。絵描きでもない、一人の鑑賞者に過ぎない私の幻想ですが、風土は作風を育むとはこういうことかな、と思い返しています。


旅を終えて

風景を眺めながら列車でのんびり移動し、高速列車のThalysにも乗ってみたかったので、日本から飛行機でベルギーに入るのではなく、オランダのアムステルダムまでにして、あとは鉄道を利用しました。現地では自由に歩き回る時間がたっぷりあり、中世の残り香をまとった西ヨーロッパの街を満喫してきました。ただ、旅行が終わってみると、見落としたものがけっこうあることに気がつきました。念を入れて研究していっただけに、ちょっぴり悔しいです。

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