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三脚を手入れする
2017年12月9日(土)



↑ジッツオの三脚「トラベラー」


おとうさんが愛用している、軽くてコンパクトなジッツオの三脚「トラベラー」は、山歩きや旅先ばかりでなく、仕事の関係でも大活躍している。購入して4年間、使ったあとに雑巾で拭くくらいで、これといって特にお手入れをしてこなかったが、最近、段同士をつないでロックする部品(ジッツオでは「段ロック」という名前)や、脚の伸縮で少し引っかかりを感じるようになったらしい。

破壊・・・違った、分解ならやらせなさい、ざます。インターネットでノウハウを探して敢行し、どうにか完了した。掃除前のネジのカリカリ感がなくなり、脚を引っ込める時もシュコ〜と心地よく縮むようになったので、うまくいったんじゃないかな。

ただ、いろいろな面で大事なことを見落としていた。数年後またお手入れするだろうから、その時のために反省を込めて書き記しておこうと思う。


お道具
  • 六角棒レンチ2本。製品付属のメンテナンスキットの一部。
  • グリース。これもメンテナンスキットの一部。
  • 新聞紙2枚
  • ボロTシャツのハギレ3枚。台所の油拭き用にとっておいたもの。
  • 使い古しの歯ブラシ2本。1本はゴミを落とすため、もう1本はグリースを塗るため。
  • 輪ゴム2つ

作業を始めたあとになって、必須だったとわかったものを挙げる。

  • プラスチック製品にも使えるパーツクリーナー
  • ペーパーウエス

方針

分解するといくつもの部品に分かれるようなので、そそっかしい私が間違えたり混乱したりしないよう、1本ずつ作業を完結させることにした。また、分解のたびに、その前後の写真を撮っておいた。こうしておけば、何がどこにつくのかさっぱり状態になった時、何らかの助けになると思ったからだ。幸い、構造はシンプルで部品も思ったほど多くなく、私でもさほど迷うことなく元通りに組み立てることができた。

取扱説明書やメーカーのホームページには、ユーザー自身で分解掃除するための説明は見当たらない。かといって、メーカーにメンテナンスを依頼するほどのこととも思えない。自己責任を前提にがんばるべーし。付属のメンテナンスキットにも、いかにも「バラすならコレ、使ってちょんまげ」と、六角棒レンチとグリースが入っているしネ。


1. 本体と脚の継ぎ目を掃除する

見やすいように白っぽい紙の上に部品を置いて写真を撮ったが、実際には2枚重ねの新聞紙の上で作業した。

付属の六角棒レンチをひねり、本体から脚を1本はずす。ネジはかなり固く締めてあった。脚にはワッシャー付きのネジが2本、本体には短い金属パイプ1本とワッシャー2個がついている。

ネジ類をTシャツのハギレでこすったら、すぐにピカピカになった。本体と脚のネジ穴周りもハギレで磨いておく。機械の汚れ落としに使う「パーツクリーナー」というスプレー式洗浄剤を用意していたが、出番はまだ回ってこないようだ。


2. 脚を分解して掃除する

ロック用のネジ部品をどんどん緩めると、ネジ山が見えてきた。さらに緩めて、ネジ部品側を少しひねりながら引いたらするりと抜けた。次の写真・右は1段目(なのかな?本体に一番近い棒)で、一方の端がネジになっている。写真・左は2段目以下で、てっぺんに白い筒のような部品がついている。この白い部品とロック用のネジ部品は、2段目以降のすべての棒についている。

2段目から下も同じようにして分解する。4本のばらばらの棒になったところで、今度は棒の部品をはずす。まず、白い部品の切れ目を左右に少し開きながらはずし(部品の内側に浅い突起があり、棒の穴にはまっているため)、続いてロック用のネジをはずす。三脚の脚1本を分解して並べたのが、次の写真だ。

次に、それぞれの部品を掃除する。本当なら、ここでいよいよパーツクリーナーの出番となるはずだったのに、いざ使う段になって、注意書きに「金属以外には使用しない」とあるのに気がついた。ネジ部分が樹脂製なのはまちがいない。せっかく買ったのに、このクリーナーは使えないのかぁ。プラスチックやゴムでも使える製品があると、どなたかのブログで読んだことを思い出したが、後の祭り。とほほ。今回は手持ちの道具でできることを進めるしかない。

1) 棒の先っぽのネジを古歯ブラシでこすって異物を取り除く。

2) Tシャツのハギレで1)のネジを包み込み、棒をぐりぐり回しながら古いグリースをぬぐい取る。

恥の上塗りをもう一つ。ネジのグリースをふき取るのに、洗いざらしのボロTシャツなら毛羽立たないだろうと思ったが、予想に反して細かい繊維がわずかだが残る。キッチンペーパーも使ってみたが、力を込めると破れてしまい、小さな切れ端が溝に残ってTシャツより始末に悪い。機器類の手入れの際、毛羽を残さないで拭き取りができる、ペーパーウエスを用意しておけばよかった。またしても後の祭りである。とほほの、ほ。

3) ロック用のネジ部品の内側を古歯ブラシでこすって異物をかき出したら、ハギレの端で古いグリースを拭き取る。

4) Tシャツのハギレで白い筒状の部品のグリース汚れをぬぐい取る。この部品は薄いプラスチック製で、切れ目が入ってるせいもあり、力を入れると割れそうで怖い。今回の作業でいちばん神経を使う部品だった。

5) 棒の、白い筒がついていた部分のグリース汚れをTシャツのハギレでぬぐい取る。


3. グリースを塗る


↑三脚付属のメンテナンスキットに入っていたグリース

チューブからグリースを絞ってネジ全体にぬりぬりしたら、棒を回転させながら、ゴミ払い用とは別の、もう1本の古歯ブラシでなでつけるように伸ばす。次の写真のように、ネジの溝と平行に歯ブラシを使うと塗りやすい。グリースの量が適切かどうか自信がないが、まんべんなくネジがてかてか&ねとねとするようなら十分だろう。

次の写真はグリースを塗り終えた3本の棒のネジだ。部品の手入れはこれでおしまい。


4. 脚を元通りに組み立てる

はずした時と逆の手順で部品を組んでいく。

1) ロック用のネジを棒に通す。このネジには上下があり、次の写真のように、斜めに大きくカットされた方が棒の接地ゴム、もしくは棒のネジ側と一致するように通す。

2) 棒の切り口に白い筒状の部品を取り付ける。はずした時と同じように、切れ目を左右に少し開きながら、内側の突起が棒の穴にはまるように取り付けるのだが、先ほども書いたように、切れ目を開くと割れそうで不安だった。突起が穴にはまるとパチンと音がして、白い部品が棒に固定される。

3) 上記1)と2)を繰り返して、残りの棒にもロック用のネジと白い部品を取り付ける。

4) 白い部品がついた方を、上の段の棒・ネジ側の口に差し込む(次の写真)。たいていつかえるが、左右にゆっくり回転させると、通路というか、とにかく通るべき場所にはまってするすると入っていく。

5) 2本の棒をロック用のネジで締める。この時、ネジを締めたり緩めたりを繰り返しながら少しずつ締めていったら、グリースがなじんでいく手ごたえが感じられ、ネジの回転もスムースになっていった。

6) 4)と5)を繰り返して、残りの棒も同様にしてロックする。


5. 本体に脚を取り付ける

1) 本体のネジ穴に金属パイプを通し、両側にワッシャーを当てたら、本体に対して脚の角度を次の写真くらいに保ちながら、脚のネジ穴と本体のネジ穴を合わせる。最初、ネジ穴を合わせようとして脚を本体と平行にしたり、あるいは垂直に立てたりしてみたが、どちらもきちんと合わなくて悩んだ。

2) 左右のネジ穴にネジを入れ、ある程度まで締めたら、2本の六角棒レンチで両側から締め付ける(次の写真)。そうとも知らずに、最初、片方ずつ六角棒レンチで締めようとしたら、ネジがくるくる空回りするだけでかなり情けなかった。これだからシロートさんは・・・。ネジをはずす時も、レンチで片方のネジを固定しておけばもっと楽だったに違いない。

3) 本体に脚が付いたら、その脚に輪ゴムで完了の目印をつけた。どの脚も見た目が同じなので、作業が終わったことがひと目でわかるようにした。

さて、残りの2本も同様に分解・掃除・組み立てして、無事に元通りの三脚になった。脚のどのネジも手入れ前より滑らかに回るし、本体と脚の接続部分の動きも問題なさそうだ。未使用のTシャツのハギレで全体を磨いたら、三脚のお手入れはおしまい。つまづきながら、写真を撮りながらの作業で、たっぷり2時間かかった。


分解掃除を終えて

この三脚の持ち主であり、何より使い慣れているおとうさんに出来具合を確かめてもらったところ、上々の評価で安心した。準備や手順、道具の使い方などなど、至らなかった点はたくさんあるが、「初めてのことじゃん」と勝手に大目に見ることにして、失敗を次回に生かそうと思う。

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