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列車の旅
正午。横長の建物の屋根にLA RAYAという地名が大書してあり、行程のほぼ半ばまで来たことを知った。あたりの平地は茫々としていて、進行方向左手には、雪をいただいた高い山が、岩山の後ろに見え隠れしていた。 私の座席は進行方向右手だった。雪山を写したくて、カメラをつかんで前の車両との連結部分へと急いだ。そこは左手にも右手にも窓があるからだ。 連結部分で数枚写し、ふと、前の車両を見ると、雪山側の窓ガラスが1枚開いていて、冷たい風が音を立てて流れ込んでいた。窓の下は狭い通路で、通路の右手は厨房だった。厨房のドアは開いたままになっていて、コックさんたちが動いているのが見えた。窓の方へ進もうかどうしようかとためらっていたら、コックさんの一人がカメラを抱えた私に気付いて、「どうぞ、どうぞ」と開いた窓を示してくれた。おお、ラッキー!私のように、ガラス越しの写真では物足りない観光客が、たまにやって来るのだろうね。 通路を通る人の邪魔にならないよう、お腹を引っ込めてヤモリのごとく壁面にはりつき、開いた窓から腕を突き出して何度もシャッターを押した。
昼食の準備が始まった。テーブルにパン皿がセットされて間もなく、列車は徐々に速度を緩め、やがて停車した。ラ・ラーヤ駅だ。風光名媚であるばかりでなく、海抜4,313mと、この路線で最も高い所に位置することも、ラ・ラーヤの売りだ。お皿に乗るのはどんなパンだろうと、そっちもかなり気にはなったが、わずか10分間の停車である、カメラを抱えてタラップを降りた。
駅の西側は低い土手で、カラフルな伝統模様の織物が並んでいる。おみやげ屋さんの露店が数軒あるようだ。その隣は質素な教会で、白壁に入り口が黒くぽっかりと開いている。そのまま列車の最後尾まで歩いて行くと、左右の岩山の間に、チムボーヤのなだらかな白い峰が現れた。
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