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クスコ&プーノ

列車の旅
ラ・ラーヤからプーノへ
From La Raya to Puno, Train Ride


路線の最高地点のラ・ラーヤを通過したあとは、プーノに向かって少しずつ下っていくことになる。5時間かけて、標高差500mを下りていく計算だ。

山のような大岩
↑文字通り山のような大岩。その手前は牛の群れ。

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空と大地の間に

クスコ〜プーノ間の略地図

トラックの頭のついた家

ラ・ラーヤを出て30分後、私たちとは逆方向の、プーノからクスコへと向かう観光列車とすれ違った。その時、ほんの1、2分だが、どちらの列車もその場に停車した。すると、たちまちおみやげ売りの人たちが集まってきて、帽子、人形、織物などを、客車の窓に向かってさかんに振りかざしていた。

民芸品を掲げ続ける地元の人たちを残し、列車は再び動き出した。平地はますます大きく開け、人家は草原の片隅に、互いに寄り添うように小さくかたまってる。住んでいる人たちは、これほどまで広大な天と地に圧倒されたりしないのだろうかと、すっかり圧倒されてしまった私は、要らぬ心配をしてしまうのだが、左の写真のように、退役トラックの頭をもいで自宅にくっつけるという、なかなかスケールの大きなユーモアの持ち主もいるところをみると、人々は自然とたがわぬ歩調で日々を送っているのだろう。

草地と岩山アヤビーリ南の湿地
↑丘の麓に、トタン屋根の家と家畜の囲いが小さく見える。↑アヤビーリ(Ayaviri)の南の湿地。澄んだ小川がいくつも流れ、牛や羊が草を喰んでいる。

ミナプンタ

上の写真は、進行方向右手の窓から見えた唯一の高い雪山、ミナプンタだ(Minapunta)。山を眺めていた間はさほど高いとも思わなかったが、あとで標高5,465mだと知って、山の高さももちろんだが、自分がいかに高い所にいたかにあらためて驚いた。

放牧

クスコ〜プーノ間の略地図

クスコでは、アルパカやリャマといえば、色糸のぽんぽんで飾られた、観光客向けの「モデルさん」しか見たことがなかったので、家畜として野に放たれている姿は新鮮だった。

羊アルパカ
↑バリカンの跡がくっきり残る、毛を刈られたばかりの羊。散らばらずに、寄り添いながら草を食べていた。ウール100%を奪われたあとでは、やっぱり寒いのかも。↑アルパカ

フリアカ Juliaca

クスコ〜プーノ間の略地図

草原は相変わらず広々しているが、集落の規模が少しずつ大きくなってきた。村から街へ、街から市街へ。午後4時半、フリアカに入った。人混みを見るのはクスコ以来だ。

列車はけたたましく警笛を鳴らしながら、ゆっくり、ゆっくり進む。踏切には遮断機がないため、お巡りさんらしき制服を着た人が旗を掲げて立ち、踏切に人が近づかないよう監視していた。大勢の人が、押し合うように列車の通過を待っているのだが、フリアカのような都会でも、週に4往復の列車は物珍しいようで、車体に視線が釘付けだ。子どもばかりか大人でも、うれしそうに手を振る人がいる。

フリアカシャーマン御用達のお店
↑フリアカ市街。左隅にタクシーが見えるが、自動車のタクシーはむしろ少なく、沿線の小さな街のように、バイクや自転車に客席用の荷車をくっつけたタイプが多い。↑おそらくリャマの胎児のミイラ。ブレた写真しかないのは残念。ええ?細かいところまでくっきり見えたら恐いって?

いつの間にか、列車は青空市場のすぐ脇を走っていた。自転車の部品、自動車の部品、ロープ、大工道具、鉄くず・・・。専門店街だ。どの店も、幅2、3mの地面にびっしりと商品が並んでいる。金物店街の次は生活用品店街が続く。露店が途切れた所では、荷車にくだものが山ほど積まれていたり、飲み物やパンを売る屋台がパラソルを広げたりしている。

さて、右上の写真に見えている、カゴから立ち上がった灰色の杖のようなものは、占いや呪術で使われるという、リャマの胎児のミイラではないかと思う。カゴの下にも何体か積んである。シャーマン御用達のこのようなお店が数軒並んでいて、しなびる前は何だったのか私には判別のつかないミイラや、コカの葉などもあった。

ただ、占い道具はそうたくさん売れるものでもないらしく、洗剤、石けん、歯磨き粉といった売れ筋の日用品も、店の隅に置かれている。これら「現代的」な商品のパッケージは、蛍光色でけばけばしく飾られているにもかかわらず、私の目には、ミイラの気に押されて精彩を欠いているようだったが・・・。

プーノへ To Puno

クスコ〜プーノ間の略地図

夕日

フリアカの街を抜けると、あたりの景色は再び広い草原に戻った。夕日が山に近づくにつれて雲は赤みを増し、草原は次第に暗くなっていった。

午後6時、日没後のプーノに到着した。クスコよりずっと寒いと聞いていたので、下車の前にセーターを重ね着しておいたのだが、それでもやっぱり寒い。ひと呼吸するたびに、冷たい空気が鼻の奥をツンとつつく。車内預けしてあったスーツケースを受け取り、出迎えの人の待つ駅の出口へと急いだ。

アルティプラーノ高原の天地の間に開いた別世界を通り過ぎて、10時間の列車の旅が終わった。


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