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大菩薩峠

甲府観光


おとうさんと合流するまでの時間、一人、甲府の市内を観光した。

山梨県のゆるキャラ、武田菱丸くん
↑甲斐犬がモチーフの山梨県のゆるキャラ、武田菱丸くんが甲府駅でお出迎え。ガキんちょのある時期、甲府近郊に住んでいたが、甲斐犬にひどく吠えかかられた。なので、このワンコにゆるい印象はまったくないのだ。菱丸くんはおばちゃんに向かって吠えたりしないよね?

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山梨県立美術館

山梨県立美術館でミレーとバルビゾン派の画家たちの作品を鑑賞した。甲府駅からバスで約15分、芸術の森公園の中にある。

山梨県立美術館
↑ミレーのコレクションが豊富なことから、「ミレーの美術館」とも呼ばれる山梨県立美術館。外壁にミレーの肖像の垂れ幕が下がる。手前の彫刻は、ヘンリー・ムーアの「四つに分かれた横たわる人体」。
芸術の森公園
芸術の森公園のあちこちに彫刻が配置されている。中央は佐藤正明の「ザ・ビッグアップルNo.45」。左の人物彫刻はオシップ・ザッキン「ゴッホ記念像」。画面奥に富士山がうっすら見えている。

ワイナリー「サドヤ」の地下セラーを見学

ワインの区別は赤いか否かだけというド・素人の私だが、世界が認める甲州ワインの醸造所を見学したくて、夕方、明治42年創業の老舗・サドヤさんにおじゃました。

宿泊先ホテルからまっすぐ歩いて10分足らず、左手に夕陽に照らされた瀟洒な門が見えてきた。SADOYAの文字がある。ここに違いないと思い、敷地をのぞいて驚いた。甲府駅北口のビル街が終わり、民家が増えてきたこのあたりで、まさか、フランスの田園に紛れ込むなんて(注:フランス云々は写真で見ただけ。行ったことはありません)。

ワイナリー「サドヤ」
↑手前の建物はショップ。広い敷地には結婚式場やレストランもある。奥の建物は式場に併設されたチャペル。
ワイナリー「サドヤ」のショップ
↑ショップ。ここで見学の申し込みをする。見学後のワインの試飲もこちら。

ショップの正面に小さなぶどう畑がある。まず、そこで赤ワイン用と白ワイン用のぶどうの葉っぱの違いを教えてもらったあと、ショップの脇の、ワイン樽を利用して作ったという扉から地下セラーへと下りた。

赤ワイン用のぶどう
ショップの前のぶどう畑。赤ワイン用のぶどうが実っている。ガイドさんが1房もいでごちそうしてくれた。甘くておいしい。隣に白ワイン用のぶどうの木があるが、実は終わっていた。

10月末にしては暖かい夕暮れだっただけに、地下室はひんやり感じた。古いワインと、不快ではないカビの匂いがうっすらと漂っていた。醸造に使われた部屋の壁と天井は白いタイル貼りだが、目地がすっかりワインに染まって変色している。古い写真や道具がたくさん展示されていて、ガイドさんの説明にひきこまれた。中でも特におもしろかったのは、ボトルの口にコルクを詰め込む機械だった。コルクを挟んでギュッと圧縮したら、レバーを操作してコルクを下げる。真下にはボトルが待機していて、押し下げられたコルクを受け取る。ボトルに収まったコルクは、元の大きさに戻ろうとしてボトルの口を塞ぐ、というワケ。どうやって弾力の強いコルクをガラスびんに収めるのだろうと、ワインのボトルを見るたびに不思議に感じていたので、まさに目からウロコの経験だった。

地下セラーの壁と樽
↑年季の入った壁とワイン樽
ホコリをかぶったワイン
↑ホコリをかぶった高価なワインが、鉄格子の向こうで出番を待っている。
ホコリのぬぐわれたワイン
↑ホコリのぬぐわれた高価なワインも出番待ち
サドヤ・ワインを試飲
見学終了後は再びショップへ。3種類のサドヤ・ワインを試飲でいただいた。同社のワインは辛口が特徴とのことで、特に白がおいしかった。新鮮なお刺身や和食と合わせたら、お料理の味をきりりと引き締めてくれそうだ。ショップでは、ワインやぶどうのジュースなど、サドヤ・ブランド製品の販売も行なっている。

フランスから取り寄せたぶどうの苗を初めて甲府で栽培した時、フランスのように地面に近い位置で結実させようとしたら、湿度が高すぎてうまくいかなかったそうだ。そこで、湿度の影響を極力抑えるように工夫を重ねた結果、地面から離れた棚にツルを絡ませて、ちょうど吊り橋のように棚をポールとワイヤーで上から支える方式になったという。気候風土の違う異国の植物を導入して、世界に通用するワインの原料に育て上げるまでの苦労は、並み大抵のものではなかっただろう。

興味深い話をたくさん伺ったうえにおいしいワインをごちそうになり、とても楽しい夕べだった。地下セラーの見学会は1日数回実施され、所要時間は試飲も含めて30分ほどだ。予約制ではないが、1回あたり20名限定だそうだ。サドヤさんのサイトの「ワイナリー&売店」ページに、見学の詳細が書かれている。アドレスは「旅の記録」のアドレス集をご覧いただきたい。

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