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リスボン&ポルト

ロカ岬


1月1日。新しい年が始まるこの日、ユーラシア大陸最西端のロカ岬に立った。

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電車とバスを乗り継いで

カスカイス線に乗るためにCP(国鉄)のカイス・ド・ソドレ駅に行き、磁気カード「ヴィヴァ・ヴィアジェン」に、リスボンからカスカイス、ロカ岬などが周遊できる一日乗車券Bilhete Train & Busをチャージした(英語名Train & Bus Ticket)。ちょうどこの日から3ユーロも値上がりして、15ユーロになったのは恨めしや〜(2,235円)。

カイス・ド・ソドレを出発した電車は、テージョ川の、続いて大西洋の岸辺の街をいくつも通過した。河口から海辺に抜けると、大荒れの波頭が岩だらけの岸を次から次へと打ち据えていた。

40分後、終点のカスカイスで電車を降り、駅の北口にあるショッピングセンター「カスカイス・ヴィラ」を目指した。海を思わせる青いガラスのタワーですぐにそれとわかったが、1日は正午開店のため、大きな建物は真っ暗だった。あたりを見回すと、どのお店も無愛想にシャッターが閉まり、通りには人影がほとんどない。そういえば、リスボンも同じだった。門松やしめ縄で入り口を飾ったり、金文字の年賀ポスターを貼り出したりと、どことなく神妙ながらも華やいだ雰囲気の漂う日本のお正月とはずいぶん違う。海外で新年を迎えるのは私にとって初めてのことで、世界にはいろいろな場所があることを今さらながらに知った。

ショッピングセンター「カスカイス・ヴィラ」
↑ショッピングセンター「カスカイス・ヴィラ」

ショッピングセンターの左手の階段を降りると(上の写真・木が2本生えているあたり)、スコトゥーブ社のバスターミナルがある。ロカ岬に行く403番線のバスの停留所は、最もショッピングセンター寄りにあった。出発時の乗客は私たちのほかに、やはり観光客らしいカップルだけだったが、途中から地元の人がちらほら乗ってきた。バス停とは関係なく乗りたい場所で乗り、降りたい場所で降りていく。のんびりしていていいなぁ。

ロカ岬や付近の山地を含む一帯は、シントラ・カスカイス自然公園だ。海岸から山を越え、内陸のシントラの町へと続く道は、サイクリングコースとしても人気があるらしい。カッコいい自転車を操るロードレースの選手のような一団が、ひっきりなしにやって来た。

ロカ岬

カスカイス駅から20分ほどで目的地に着いた。バスを降りると、十字架の乗った記念碑が見えた。ロカ岬だ。そこまでは丈の低い草の間を歩いて2、3分の距離だった。冷たい海風が強く吹き付け、多肉植物の厚い葉がぷるぷる震えていた。

新年早々、こんな風の強い寒い所に来る物好きは私たちくらいなものだろうと思っていたら、なんのなんの。駐車場には乗用車ばかりか、大型観光バスまで停まっていた。

バス停「ロカ岬」
↑バス停「ロカ岬」。カスカイス発着のバスはこの建物の前に停まる。

ロカ岬
↑ユーラシア大陸最西端、ロカ岬。十字架を乗せた碑が建つ。

ロカ岬から北を眺める
↑画面正面は北。右手の建物は灯台。

ロカ岬から眺めた海岸
↑波浪注意報発令中。海は大荒れ。

ロカ岬の記念碑
 ↑記念碑にはPONTA MAIS OCIDENTAL DO CONTINENTE EUROPEU(「ヨーロッパ大陸最西端」)の銘

ロカ岬の南隣の崖
↑ロカ岬の南隣の崖。険しく、岩だらけ。

さて、ロカ岬は見たから、そろそろリスボンに戻ろか。なんちて。

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