特急列車ICでポルトへ 2泊3日でポルトに行った。首都リスボンから北へ300km、ドウロ川の河口近くに位置するポルトガル第2の都市で、特産のポルトワイン(ポートワイン)はあまりに有名だ。 「ポルト列車の旅」を志し、行きは特急列車インテルシダーデス(以下、IC)を、帰りは高速列車アルファ・ペンドゥラールを利用した。リスボンのサンタ・アポロニア駅とポルトのカンパニャン駅とを前者は3時間10分、後者は2時間45分で結ぶ(どちらもおおよその時間)。せっかくの機会なので、往復とも1等車にした。ICもアルファ・ペンドゥラールも、ポルトガルの国鉄であるCPが運行している。 サンタ・アポロニア駅 午前8時過ぎ、ポルト行きのICに乗るために、CPサンタ・アポロニア駅へ行った。ホテル最寄りの地下鉄駅から乗り換えなしで行けるので楽だった。 サンタ・アポロニア駅に到着し、窓口で1等車の切符を買った。1人35.90ユーロだった(5,349円)。時おり雨足の強まる寒い朝で、ホームに出て写真を撮りたくても出られず、出発直前までカフェでコーヒーを飲みながら時間をつぶした。
道中 道中もずっと雨降りで、車窓には雨粒が絶えず当たっては流れ落ち、牧場に何かいても牛なのか馬なのか、いや、羊さえ区別できなかった。窓から眺める景色は陸路を行く楽しみの一つなのに、雨のせいですっかりお預けとなった。たが、高速道路の高架や湖がぼんやり見えることもあり、iPhoneアプリCityMaps2Goの現在地と照らし合わせるのは、なかなか楽しかった。
カンパニャン駅 定刻12:39、IC 523号は終点のポルト・カンパニャン駅に到着した。雨は道中のどこよりもひどく、土砂降りだった。ホームに停車中のICを撮り鉄したかったのに、雨に追い立てられてカメラどころではなかった。私たちって、そんなに心がけが悪い??
サン・ベント駅 宿の最寄り駅は、カンパニャンからいずれかの近郊線に乗ってひと駅目のサン・ベントだ。大雨なのだからタクシーを使えばよさそうなものだが、リスボンのホテルでスーツケースを預かってもらったため荷物が少なくて身軽だし、何より、「ポルト列車の旅」を志してここまで来たからには、最後まで電車で通す決意なのだ。 さて、お昼ご飯を済ませてカンパニャン駅に戻り、券売機で近郊線の切符を買おうとしたが、何度英国旗のボタンを押しても英語表示に切り替わらない。両隣の券売機も、少し離れた所の券売機も同じだった。英語さえ怪しいのに、ポルトガル語がわかるはずもなし。券売機はあきらめて窓口へ行った。係員さんにサン・ベントまで行きたいと告げると、磁気カードに運賃をチャージしてくれた。カードの発行手数料0.5ユーロと片道切符代1.4ユーロで、1人合計1.9ユーロだった(283円)。この磁気カードは、リスボンの交通機関で使えるカード「ヴィヴァ・ヴィアジェン」にデザインがよく似ている。特に名称はないようで、単に'bilhete CP Urbanos do Porto'だ。日本語にすると、「CPポルト近郊線切符」といったところかな。 係員さんから磁気カードを受け取って電車に乗り込むと、すぐ動き出した。左手に雨で茶色に濁った川が見えたと思ったら、あっという間にサン・ベントに着いた。
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