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リスボン&ポルト

空の旅
〜KLMオランダ航空〜


特に事情がない限り、欧州への往復はKLMオランダ航空に決めている。我が家はずっとスカイチームの会員というのも理由の一つだが、座席のクラスや会員ランクに関係なく、サービスの質が良いと感じるからだ。

「リスボン&ポルト」もくじ

成田空港エールフランス・ラウンジ

おとうさんがスカイチームの上級会員なので、同伴者の私もラウンジが利用できた。成田空港にはKLM独自のラウンジがなく、経営統合相手のエールフランス航空のラウンジを利用する。

成田空港エールフランス・ラウンジ

エコノミークラスの機内食

夕食(離陸後に初めて出る食事)も朝食も乗るたびに内容が違うし、味もいい。ただ、変わらないものもある。これが私のイチオシ、和食の夕ご飯についてくるデザートのあんみつだ。左下の写真・右上がそれ。寒天特有の香りや歯ごたえといい、上品な甘さの黒蜜といい、まさか外国の航空会社の機内で、こんな本格的な和の甘味が食べられるなんて。

ところで、お米が主食ではない人たちにとって、ご飯はおかずなのだろうか。和食の人にもパンを配るのが不思議でしかたない。それともご飯だけじゃ足りないのかな。

エコノミークラスの機内食
↑左の写真は夕ご飯。あんみつがあるのにどら焼きまでついている。もちろん、うれしい。パンは不思議といいながら、きっちりもらってるじゃないの、私。右は朝ご飯で、この日の内容はビーフンの野菜炒めとポテトサラダだった。フルーツがたっぷりついてくる。

KLMクラウンラウンジ

オランダの航空会社KLMの本拠地は、アムステルダムのスキポール空港だ。同社のラウンジ「KLMクラウンラウンジ」は、私が知っているだけでも国際線に2か所ある。スキポールでの乗り継ぎ時間が行きも帰りも6時間あったが、食事をしたりシャワーをお借りしたり、その合間にWi-fi接続でインターネットしたりと、設備の整ったラウンジのおかげで不自由なく過ごすことができた。

アムステルダム・スキポール空港のKLMクラウンラウンジ
↑4枚とも行きの12月31日夜に写す。左下はチョコチップ入りの揚げ菓子だと思う。味見するのを忘れた。右下はマイ・チョイスの夕ご飯で、オランダの国旗付き魚のマリネ、ゴーダチーズ、豆のサラダなど。

珍しくウイスキー

スコッチウイスキー「ハイランドパーク12年シングルモルト」
↑飲み慣れないウイスキー。でも、おいしかった。

アムステルダムからリスボンへと向かう機内にて、男性乗務員さんとの会話。

乗務員さん「お飲み物はいかがですか?」
「イングリッシュ・ティーをください。」
乗務員さん「ウイスキーですね(カートの引き出しを開け閉めして)・・・おや、切れているかな・・・(景気よくうなづきながら)そうか、あしたはお正月ですからね。少々お待ちを、ビジネスクラスから持って参りますので。」すたすたすた。
「え、あの、その・・・行っちゃった。」自慢じゃないが、私は英語がとてもへただ。

乗務員さんが戻ってきた。金色の液体の入ったコップを両手で包むようにして持っている。
乗務員さん「お待たせしました。どうぞ。」アーモンドのおつまみまで添えてくれた。

強いお酒は飲めないけれど、せっかくなのでいただいてみる(上の写真)。ちびちび。
「おおっ、こ、これはっ!?」ウイスキーがこんなにおいしいとは。
ちびちび、ちびちび、ちびちび、ちびちび。

到着時刻が近づき、乗務員さんが片付けに来た。
「ごちそうさまでした。」
乗務員さんはコップにウイスキーが残っているのを鋭くも見抜き、心配そうに「おや、別のお飲み物もお持ちした方がよろしかったでしょうか?」
「いえ、とてもおいしかったですよ。こちらで十分です。」

少々酔いは回っていたけれど、お世辞ではなく本当においしかった。大サービスしてくださったのに、残してしまって申し訳なかった。くだんのお酒は、「ハイランドパーク12年シングルモルト」というスコッチウイスキーだ。

ワールドビジネスクラスで日本へ

たまたま空席がたくさんあったなど、いくつも幸運が重なったのだと思うが、帰路、アムステルダムから成田までの長距離便で、ビジネスクラスに無償アップグレードされた。搭乗口で係員さんからそう告げられて、おとうさんと二人、びっくり仰天した。エコノミークラスの運賃との差を知っているだけに、'WORLD BUSINESS'と印字された新しい搭乗券を受け取っても、しばらくは信じられなかった。

KLMでは欧州内は「ヨーロッパビジネスクラス」、域外の長距離便は「ワールドビジネスクラス」との名前になっている。複数のソーシャル・ネットワーク・サービスでKLMをフォローしているので、最近新しくなったワールドビジネスクラスの話題が掲載されるたびに、一度でいいから乗ってみたいと憧れていた。

実際に乗ってみて快適なのは言うまでもない。いちばんいいと感じたのは、椅子の背もたれが水平になるので、体を真横にして眠れることだ。帰国後の疲れ方がまったく違うし、いつもは長引く時差ボケも、1日かそこらで気にならなくなった。

KLMワールドビジネスクラス
↑左上は座席の前の空間。左下はカーペット。以前のビジネスクラスのカーペットをほぐし、その糸を再利用しているそうだ。リサイクル先進国のオランダならでは。右下・左は座席各部の角度をコントロールするパネル。ボタンひとつでフラットベッドになる。右下・右は電源。iPhoneの電池残量を気にすることなく、ビジネスクラスの食事を激写することができた。

ワールドビジネスクラスの夕食
↑左上は夕食の前菜。和食か洋食のいずれかを選べる。和食にした。ホテル・オークラ・アムステルダムの日本料理店が監修。テーブルウェアのデザインは、オランダ人デザイナーのマルセル・ワンダース氏。食後には果物、ケーキ、チーズの各種デザートが振る舞われる(左下)。ケーキと果物をいただきながら、乗務員さんの「おひとついかがですか?」に誘われて、オランダの有名なショコラティエによるチョコレートまで頂戴した。しかも、「もうおひとつどうぞ」と勧められて、結局2つも(右下)。

オーロラ出現時の位置
↑機長さんが乗務員さんに、乗務員さんが通路左側のお客さんのうち、眠っていない人にオーロラが見えると教えてくださった(そうだ)。オーロラ出現を知った眠れないおとうさんが、フラットベッドで絶賛爆睡中の私を叩き起こしてくれなかったら、一生に一度あるかないかのチャンスを逃すところだった。

いくらがんばっても写真に撮れないので(ずっと明るい星でさえ写らないのに、オーロラが写るはずもないが)、その時の自分の位置がわかるように、飛行状況の画面を写しておいた。時刻は日本時間の午前3時ごろだと思う。最初は緑色のもやもやが遠くに見えただけだったが、形が少しずつ変わっているのがわかるくらいまで近づいた。まるで、漆黒の空間に幅広の緑のカーテンが下がっているようだった。オーロラは消えたり現れたりを繰り返しながら、30分ほどでまったく見えなくなった。

2階のビジネスクラスはエンジンが遠い
 ↑ボーイング747の2階席のビジネスクラスだった。エコノミークラスから見えるエンジンと比べると、ずいぶん遠い。あと1時間弱で成田空港に到着する。いつかまた、KLMのワールドビジネスクラスに乗れるといいな。

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