早春の西沢渓谷 今年のゴールデンウィークは全国的に気温が低く、山梨県も例外ではないそうだ。2、3日前、秩父へと続く峠では雪が降ったと、タクシーの運転手さんが珍しそうに話していた。ほどなくして、正面の高い山のてっぺんが霧氷で白く輝いているのが見えた。 午前6時半、朝日に照らされた峰を眺めながら渓谷に入った。国道脇の気温表示は摂氏1度だったのに、さほど寒さを感じない。氷も雪も見えないが、標高の高い所では道の脇に雪の塊が残っていた。 山は新緑というにはまだ早く、ようやく芽吹きが始まったばかりだった。黄緑色、萌黄色、オレンジ色、ピンク・・・若葉なのか、それとも何か薄い殻なのかわからないが、盛夏の緑が信じられないくらい、どの芽も淡い。
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