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厳冬の西沢渓谷


2月1日、雪と氷を眺めながら西沢渓谷を歩いた。雪山は初めてだが、アイゼンに似た、爪のついた滑り止めが大いに役に立った。山歩き前夜はいつも通り甲府に泊まった。

その週の気温はかなり高めで、雪の量は想像したほどではなかった。しかし、翌週の2月8日、さらに13日は関東甲信越地方で大雪となり、特に13・14日の2日間は甲府市で114cmも積もるなど、山梨県内の各地で観測史上最大の降雪量を記録したそうだ。西沢渓谷でも豪雪になったのではないだろうか。


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↑落差工を流れ落ちる笛吹川の源流。川幅の半分近くが凍結していた。朝日を背に二俣吊橋から撮った写真で、白い氷の上に横一文字に橋の影が落ちている。

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↑大久保の滝。ところどころ流れがのぞく。

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↑三重(さんじゅう)の滝

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↑三重の滝。11月、しぶきを上げながら落ちていた流れは、もこもこした氷に覆われていた。

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↑フグ岩。これじゃ、冷凍フグになっちゃうぞう。

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 ↑竜神の滝。暖かい日が続いたため、数日前、滝を覆っていた氷がごっそり落ちて、流れが半分復活したそうだ。

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↑竜神の滝

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↑渓流を覆う氷。薄い部分が開いて、水の流れがわずかに見える。

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↑ヌク沢の落差工。西沢渓谷に何度も通っている人の話では、どの滝も氷の規模が年々小さくなっているそうだ。やはり地球温暖化の影響だろうか。

西沢渓谷の春、夏、秋、冬、それぞれの季節を歩こうと思い立ってから1年半、今回で四季めぐりがひととおり終わった。初心者なので、冬は晩秋11月の「冬枯れ」でよしとし、積雪のある本格的な冬期は半ばあきらめていたが、装備に寒さ対策と雪道用の滑り止めを追加し、お天気の安定した時を狙って出かけることで、厳冬2月の山歩きも無事に楽しむことができた。

竜神の滝で道具にトラブルが起きたため、もう少し先に進みたい気持ちを抑えて下山したが、「無理しないで行ける所まで行って戻ってくる」の方針を守ることができたのはよかったと思う。

寒さ対策を万全にしたが、どうも、万全にしすぎたきらいがある。二俣吊橋を渡り、階段を登り終わるころにはすでに汗だくで、ダウンジャケットの下はTシャツ1枚という状況になってもまだ暑かった。ただ、自宅近所のスーパーで見つけて買っておいた、靴と靴下の間に入れる使い捨てカイロのおかげでつま先の冷えがまったくなく、足元は至って快適だった。

滑り止めは登山用品の専門店で勧められたもので、アイゼンでいえば4本爪と6本爪の中間という位置づけだそうだ。スノーブーツに装着する前とあとでは、雪道への密着感がまったく違って驚いた。山道の積雪は10cmほどあり、安心して歩けたのもこの滑り止めのおかげだった。ところで、雪が石ころや木の根っこを厚く覆い、山道のでこぼこを大きく減らしているので、滑り止めやアイゼンさえあれば雪道はむしろ歩きやすいと感じた。

さて、次の表は、渓谷歩きを中心とした2月1日の行動記録だ。

時刻内容
05:29JR中央線甲府駅から高尾行き普通列車に乗車(始発)
05:49塩山駅到着。タクシー乗車。
06:20西沢渓谷入り口到着、渓谷歩き開始。
07:32二俣吊橋
08:46竜神の滝到着。写真を撮って下山開始。
10:20バス停「西沢渓谷入口」到着。渓谷歩き終了。
11:22山梨市営バスの路線バスに乗車、西沢渓谷入り口を出発。
12:20JR中央線山梨市駅到着

早朝はバス便がないためタクシーを予約し、JR塩山駅から西沢渓谷入り口まで利用した(塩山は西沢渓谷の最寄り駅)。所要時間は35分、料金は6,500円ほどだった。渓谷入り口へと向かう国道140号線の路面がところどころ凍結していたため、運転手さんもスピードを落とさざるを得ず、いつもより10分ほど長くかかった。

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