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旧森林軌道を下る


山道の終点から先はずっとなだらかな下り坂で、楽ちんだ。谷の底だった行きと違って山の中腹を進むので、木々の間から向かいの山の見晴らしが楽しめる。谷にかかる頑丈な鉄の橋をいくつも渡りながら、渓谷歩きのスタート地点となった子酉(ねとり)広場に向かって下山した。

この下り坂の地面には、古いトロッコの線路が見え隠れしている。それが「旧森林軌道」と呼ばれるゆえんでもある。三富村(みとみむら)とふもとの塩山市(えんざんし)とを結んでいた、「三塩軌道」(さんえんきどう)という名前の線路で、昭和8年から43年(1933年から1968年)にかけて、主に木材や石の運搬に使われていたそうだ。険しい谷への転落事故が何度も起きたようで、作業員のだれそれさんがここからトロッコごと谷底に落ちた、との話が複数の看板に書かれている。

「西沢渓谷」もくじ


↑旧森林軌道の入り口は渓谷の遊歩道で標高が最も高く、谷を渡る風も冷たい。低い所では、気温の上昇で折れたつららが道端に転がっていたが、このあたりは溶けてさえいない。

↑五つ淵(いつつふち)から七ツ釜五段の滝を見下ろす

↑しゃくなげ橋。西沢渓谷はシャクナゲの群生地としても有名だ。橋の両端の支柱には、シャクナゲをモチーフにした透かし飾りがある。



↑大久保沢

↑大久保沢にかかる橋から見下ろす

↑木材を積んだトロッコが線路跡に復元されている

↑トロッコの線路跡

↑おそるおそる橋の上から斜面を見下ろす。ひえぇ。

↑目指す子酉広場はあと少し。無事に渓谷をひと巡りできたことを、山の神さまに感謝した。

↑子酉大橋に到着。橋を渡った少し先に広場がある。

↑子酉大橋から鶏冠山(とさかやま)を望む。しばらく見ない間に、谷にかかる吊り橋がますます荒れていた。使われていないのだから仕方ないか。

↑子酉大橋から下流を望む

↑国道140号線の高い橋で宙吊りに。作業員さんは慣れっこだろうが、見ているこちらはどきどきしてしまう。

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