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グランジ画を作る


「グランジ」(grunge)という言葉には、「薄汚い」という意味があるようです。確かに、できあがった絵を見ると、もやもやして何やら小汚い感じがしないでもありませんが、重ね塗りしたブラシの陰影が醸し出す、一風変わった墨絵のような効果が楽しめます。

ところで、「グランジ画」というのは筆者が勝手につけた名前です。主に背景用の絵として作られることから、英語ではよく“grunge background”と呼ばれています。

これから次のグランジ画を作ります。この画像も含めて、見本はどれも半分に縮小してあります。

グランジ画の作例

おおまかな手順は次の通りです。

  1. 基礎となるもやもやを描く
  2. グランジ画用のブラシで描く
  3. 色を付ける
Photoshop 7.0基本操作

1. 新規に画像を開く

次の設定で新規に画像を開きます。背景用の画像として利用できるよう、大きめに作っておきます。

  • 幅:600 pixel
  • 高さ:600 pixel
  • 解像度:72 pixel/inch
  • 内容:白
2. 基礎となるもやもやを描く

dキーを押して、描画色と背景色をデフォルトの#000000(黒)と#ffffff(白)に戻したら、メニューバー[フィルタ]→[描画]→[雲模様1]を実行します。

雲模様

フィルタ[雲模様1]の結果が、色の濃淡に最も大きく影響します。一度[雲模様1]を実行してみて、おもしろ味に欠けるようなら、気に入ったもやもやになるまでCtrl+fを実行するといいでしょう。Ctrl+fは、直前に実行したフィルタを繰り返し実行するコマンドです。

3. グランジ画用のブラシで描く

【グランジ画用のブラシ】

「グランジ画用のブラシを作る」では、ブラシの作り方をお話ししています。

お試し用ブラシ「samplebrs01」もあります。ご利用ください。この作例で使っているブラシです。ダウンロード後、次の手順でブラシプリセットピッカーにリストしてください。

  1. ブラシツールを選びます。
  2. ブラシプリセットピッカーを開き、三角印ボタンを押してメニューを表示します。
  3. [ブラシの置き換え...]を選び、ダウンロードしたブラシファイルを指定します。

1) 新規レイヤー[レイヤー1]を作成します。

2) ブラシツールから、グランジ画用のブラシを選びます(右の囲み参照)。

続いて、オプションバー右隣にある[ブラシ]タブを押して(もしくはメニューバー[ウインドウ]→[ブラシ]を選んで)ブラシパレットを開き、次のように設定します。

  • [ブラシ先端のシェイプ]を開き、[間隔]を50%に(下の画像Aの黄色い枠)。
  • [シェイプ]を開き、[サイズのジッター]、[角度のジッター]、[真円率のジッター]をすべて80%に(下の画像Bのピンク色の枠)。

ブラシのマスター直径が大きくても、サイズを下げたりせず、そのままの大きさで使います。この作例でも242pxの大きなブラシをそのまま使っています。

ブラシ先端のシェイプ
画像A

シェイプ
画像B

3) 描画色を#ffffff(白)に設定したら、ところどころ重ね塗りしながら、画面いっぱい、白のブラシで気の向くままに塗りたくります。

白で描く

4) 新規レイヤー[レイヤー2]を作成します。

5) dキーを押して描画色を#000000(黒)に設定したら、今度も同じブラシで塗りたくります。

黒で描く

6) [レイヤー1]と[レイヤー2]の描画モードを[ソフトライト]に変更します(「レイヤーの描画モードを変更する」参照)。次のような白黒のグランジ画ができました。

白黒のグランジ画

4. 色を付ける

1) 色がきれいに出るよう、画像の明るさを微調整しておきましょう。ただ、明暗も好みのうちなので、この調整は省略しても構いません。

いちばん上のレイヤー[レイヤー2]を選択したら、メニューバー[レイヤー]→[新規調整レイヤー]→[明るさ・コントラスト]を選びます。[新規レイヤー]という小さなダイアログボックスが開きますが、何も手をつけずに、デフォルトのまま[OK]ボタンを押します。続いて、[明るさ・コントラスト]ダイアログボックスが開きます。[明るさ]のスライダを左右に動かして、好みの明るさに調整します。画像にもよりますが、少し暗めにした方が、あとで色を付けたとき発色がきれいになるようです。次の設定例にもあるように、この作例では[明るさ]を-10にしました。

明るさ・コントラストの設定

[OK]ボタンを押すと、レイヤーパレットのいちばん上に[明るさ・コントラスト1]レイヤーが作成されます。

2) [明るさ・コントラスト1]の上に、新規レイヤー[レイヤー3]を作成します。

3) グラデーションツールを使い、好みのグラデーションで塗りつぶします。

4) [レイヤー3]の描画モードを[ソフトライト]に設定します。ページ冒頭のグランジ画のできあがり。

レイヤーパレットは最終的に次のようになりました。

グランジ画のレイヤーパレット

グランジ画を利用したバナー

作例のグランジ画を利用して、こんなバナーを作ってみました。テキストにも同じグランジ画を使っています。

グランジ画を使ったバナー

最終更新:2007年7月17日

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