Camera Rawで写真のノイズを減らす ISO感度を大きく上げて写したり、光量が不十分な場所でスマートフォンで撮影した写真には、ノイズが入りがちです。絵の見栄えをザラつかせる厄介者のノイズには、「カラーノイズ」と「輝度ノイズ」の2種類があり、カラーノイズはピンクや青などカラーの斑点となって、輝度ノイズは白黒の階調(=グレースケール)の斑点となって画像に現れます。 Photoshopに組み込まれているRAW画像調整アプリケーションCamera Rawは、ニコン、キャノン、オリンパスなど、さまざまなカメラのRAWファイルをサポートしています。便利なことに、RAWファイルだけでなくJPEG形式やTIFF形式にも対応しているので、スマートフォンや携帯電話で撮った写真も調整が可能です。 これからCamera Rawを使ってデジタル写真のノイズを減らし、なめらかな画像に仕上げようと思います。ここでは、ろうそくの明かりだけの薄暗〜いレストランで撮った、魚料理の写真を使っています。ノイズぷりぷりの、今回のテーマににぴったりの例かと思います。次の画像は、この写真に対してノイズ軽減する前とあとの様子です。変化がわかりやすいように、一部を切り出しました。全体の写真はページ末尾をご覧ください。
1) Photoshopを立ち上げます。 2) アプリケーションメニュー[ファイル]→[開く...]を選びます。 ファイルを選択したら、ウインドウ下部にある[形式]を[Camera Raw]にして[開く]ボタンを押します。 アプリケーションCamera Rawが起動します。広いプレビュー領域には、指定した画像が表示されています。
1) 画面右上に小さなタブが並んでいます。左から3つ目のつんつんの絵のタブを押して、[ディテール]パネルを開きます。 2) ノイズの様子がよくわかるように、画面左下の[ズームレベル選択]ボタンで倍率を大きく上げます。この例では300%にしています。 倍率を上げると、ピンクや灰色のまだら模様(=ノイズ)がびっしり入っているのがよくわかります。 3) 画面左上のツールパネルから、手のひらツールを選びます。プレビュー画像をドラッグして、ノイズがよく目立つ個所をプレビューの真ん中に持ってきます。 4) まず、ピンクや青などのカラーノイズを減らします。カラーノイズがなければ、この作業は不要です。次の5)の輝度ノイズの軽減に進んでください。 カラーノイズが目立たなくなるまで、[ノイズ軽減]グループの[カラー]のスライダーを右に動かします。この例では72になりました。 カラーノイズがほぼ消えて、こんなふうになりました。 5) けばけばしいカラーノイズがなくなったところで、今度は灰色の濃淡の輝度ノイズを減らします。輝度ノイズが目立たなくなるまで、[輝度]のスライダーを右に動かします。この例では86になりました。 シミのような輝度ノイズが減って、かなりすっきりしました。
これまでの作業でノイズはほとんどなくなりましたが、画像が少しぼんやりしてしまいました。この例のようなノイズの強い画像では、[ディテール]の値を大きく変化させざるを得ず、その結果、どうしても画像の鮮明さが犠牲になります。もうひと手間かけて、画像をくっきりさせましょう。ただ、画像の鮮明さに違和感がなければ、この作業は必要ありません。次の「4. 画像を保存してCamera Rawを終了する」に進んでください。 1) 画面左下の[ズームレベル選択]ボタンを押して倍率を100%に下げ、写っているものの変化を見やすくします。 2) [ディテール]パネルの上部に、[シャープ]グループがあります。写っているものの輪郭がすっきりするまで、[適用量]のスライダーを右に動かします。ただ、値を上げ過ぎると再び画像がザラついてしまうので、「ちょっとはっきりしたかな」程度で止めます。この例では25になりました。
1) 画面左下隅にある[画像を保存...]ボタンを押します。[保存オプション]ウインドウが開きます。ファイルの保存先やファイルの名前など必要な項目を設定したら、[保存]ボタンを押して保存を実行します。 2) 画面の右下隅にある[完了]ボタンを押して、Camera Rawを終了します。
次の2枚はノイズ軽減を行う前とあとの画像で、冒頭でご紹介した部分画像の全体です。ノイズ軽減前の画像はザラついて粗い印象ですが、ノイズ軽減を行ったあとは全体が少しなめらかになりました。
最終更新:2016年3月17日 |