![]() 古い紙 古色蒼然とした紙を作りましょう。長い年月の間に端は日焼けでくすみ、あちこちにシミもできています。 おおまかな手順は次の通りです。
上の完成画像と一部を除き、作例は半分に縮小してあります。
次の設定で新規に画像を開きます。
新規レイヤーを作成します。この結果、[レイヤー1]ができます。 長方形選択ツール 描画色を#f1e6c8(肌色)、背景色を#e4d2ac(少し暗めの肌色)に設定したら(「色を選ぶ」参照)、アプリケーションメニュー[フィルター]→[描画]→[雲模様1]を実行します。 紙の地色ができました。選択範囲は表示しておきます。
1) くすみの土台を作る 新規レイヤーを作成します。この結果、[レイヤー2]ができます。 アプリケーションメニュー[選択範囲]→[選択範囲を変形]を選びます。オプションバーの[W]欄に110%と入力し(幅の設定)、高さも同じ比率になるよう、リンクアイコン 肌色の四角よりもちょっと大きい選択範囲ができました。 描画色を#898989(初期設定のスウォッチの[60%グレー])に設定したら、Alt+Backspaceキーを押して選択範囲を塗りつぶします。Ctrl+dキーを押して選択を解除します。 くすみの描画を進めるために、このレイヤーの下になっている肌色の四角を利用します。作業中の[レイヤー2]の目のアイコン 2) くすみの内側の形を描く 2つ下の作例画像のように、なげなわツール
選択範囲ができたら、自然なくねくねに仕上がるように、選択範囲を少し滑らかにしておきましょう。アプリケーションメニュー[選択範囲]→[選択範囲の変更]→[滑らかに]を選び、[半径]を5pixelに設定して[OK]ボタンを押します。 この例では次のような選択範囲ができました。選択範囲は表示しておきます。
3) くすみ全体の形を作る [レイヤー2]が選択されていることを確認します。選択範囲を表示したまま、[レイヤー2]の目のアイコンを押して、表示の状態に戻します。灰色の四角が復活しました。Deleteキーを押して選択範囲を削除します。 灰色の四角の内側がぽっかりと抜けて、いびつな枠のようになりました。これでくすみの色を付ける範囲が決まりました。Ctrl+dキーを押して選択を解除します。 再び[レイヤー2]の目のアイコンを押して非表示にし、いびつな枠を隠します。 4) くすみの色を付ける 新規レイヤーを作成します。この結果、[レイヤー3]ができます。 [レイヤー3]を選択したまま、Ctrlキーを押しながら[レイヤー2]のサムネール(レイヤーパネルのレイヤー名の左隣にある小画像)をクリックして、選択範囲を表示します。 このまま色を付けるとベタ塗りになってしまいます。選択範囲の端をぼかして、じんわり広がるくすみらしい雰囲気にしましょう。 アプリケーションメニュー[選択範囲]→[選択範囲を変更]→[境界をぼかす]を選び、[ぼかしの半径]を12pixelにして[OK]ボタンを押します。 選択範囲の境界線が丸みを帯びて、次のようになりました。 描画色を#b08038(明るい茶色)、背景色を#774c29(暗めの茶色)に設定したら、アプリケーションメニュー[フィルター]→[描画]→[雲模様1]を実行します。 Ctrl+dキーを押して選択を解除します。 何だか目の焦点が合わなくなってくるような、ちょっといやらしい絵ですね。 5) くすみの形を整える [レイヤー3]が選択されていることを確認したら、Ctrlキーを押しながら[レイヤー1]のサムネールをクリックして、四角い選択範囲を作ります。 Ctrl+Shift+iを押して選択範囲を反転させたら、Deleteキーを押します。続いてCtrl+dキーを押して、選択を解除します。 端のもやもやが切り落とされてすっきりしました。くすみのできあがりです。後ほど、もうひと工夫加えます。
シミも加えて、この紙が経てきた歳月を主張しましょう。シミといえば、グランジ(grunge=小汚いもの)な絵が素材にぴったりです。 1) グランジ・レイヤーを作る 少しの間、紙作りのドキュメントを離れて、次のグランジ画のGIFファイルで作業します。お試し用にご利用ください(原寸大)。グランジな絵を自作したい方は、「グランジ画を作る」を参照してください。
グランジ画での作業はこれで終わりです。紙作りのドキュメントに戻ります。 2) グランジ・レイヤーをシミに変える 紙作りのドキュメントのレイヤーパネルを見ると、[背景のコピー]という名前でグランジなレイヤーがコピーされています(名前に「背景」がついていますが、通常のレイヤーです)。わかりやすいように、このレイヤーの名前を[レイヤー4]に変更したら、[レイヤー1]のすぐ上に移します。 まず、グランジなレイヤーを紙の大きさに切りそろえましょう。[レイヤー4]が選択されていることを確認したら、Ctrlキーを押しながら[レイヤー1]のサムネールをクリックして、選択範囲を表示します。Ctrl+Shift+iを押して選択範囲を反転させたら、Deleteキーを押して選択範囲を削除します。これで紙からはみ出た部分がなくなりました。 もう一度、Ctrl+Shift+iを押して選択範囲を反転させます。選択範囲は紙の大きさに戻りました。アプリケーションメニュー[フィルター]→[ぼかし]→[ぼかし(ガウス)]を選び、[半径]を1.0pixelにして[OK]ボタンを押します。 続いて、描画モードを[ソフトライト]に、不透明度を65%に変更します。 Ctrl+dキーを押して選択を解除します。画像は次のようになりました。シミがうっすら見えています。
くすみのレイヤー[レイヤー3]を選択し、描画モードを[焼き込みカラー]に変更します。
くすみの色が劇的に変わって、急に古い紙らしくなりました。でも、ちょっと黄色ぽいので、色のバランスを調整しましょう。 [レイヤー3]が選択されていることを確認したら、アプリケーションメニュー[レイヤー]→[新規調整レイヤー]→[カラーバランス...]を選びます。[新規レイヤー]ダイアログボックスの、[下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]にチェックを入れたら(左下の画像・緑の円。コマンドが使用するレイヤーを[レイヤー3]に限定するための設定)、[OK]ボタンを押します。ワークスペースの右端に、色調補正パネルが開きます(右下の画像)。 色調補正パネルの、イエローとブルーの間のスライダーをブルー寄りに動かします。スライダーが示す位置は、その右のボックスに数字として反映されます。右下の画像にあるように、この例では50にしていますが、画像全体の様子を見ながら、適度な色合いになるように調整してください。 色調補正パネルのタイトルバーをマウス右ボタンでクリックし、メニューから[タググループを閉じる]を選ぶと、色調補正パネルが消えて、以前のパネルグループが表示されます。 画像は次のようになりました。くすみの色から黄色が少し抜けて、落ち着いた色合いになってきました。 [レイヤー3]を選択します。不透明度を70%に下げて、さらに色を落ち着かせます。
古い紙が完成しました。
紙の後ろに影を加えましょう。 [レイヤー1]を選択します。レイヤーパネル下部の[レイヤースタイルを追加]ボタン
冒頭の、古色蒼然とした紙のできあがり。 最終更新:2011年2月6日 ![]() |