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Pokémon GO Safari Zone in Tainan
その2
美食街


ポケモンGO台南イベントに対する最大の不安は、レアポケモンをたくさん捕まえられるかどうかとか、障害のせいでプレイできなくなったりしないだろうか、とかではなかった。「メイン会場では食べ物が手に入るのだろうか???」、これに尽きた。主催者発表のイベント概要は台湾語で、何らかの飲食はできそうなのだが、はっきりしない。台南行きを決めて以来、不安は増すばかりだった。欠食おばさん、いやしいのだ。

だが、深刻この上ない私の不安はまったくの杞憂だった。会場に入ってすぐ左手に、楽しげな色の屋根が延々と連なっていて、ひと目で悟った。「あの屋根の下ではンまいモンを作って売っているに違いない!」。お昼までまだずいぶん時間があるというのに、串や器を手に歩いているトレーナーさんもいるじゃないの。

3日間、私の主食は決まって豆入り粽(ちまき)で、おかずは日替わりにした。粽の入ったカップを片手に、きょうのおかずは何にしようか人混みの美食街を迷い歩くのは、ポケモン探しと同じくらい楽しかった。ピカチュウ・ジーランスも、この時ばかりは忘却の彼方なのだよ。

「台南」もくじ


美食の数々

↑大粒の白っぽい豆が入った粽(ちまき)。よく蒸されていて、お餅に近い柔らかさだ。底の甘辛のタレを絡めていただく。大きさはコンビニおにぎりの倍ほどで、きな粉と刻みパクチーがかかっている。

↑焼き芋だよん

↑自家製干し柿。奥さんが「おやつに1個、どう?」。柔らかく、ほどよい甘さでとてもおいしい。2パック、どぉんと買っていくお客さんもいた。

臭豆腐デビュー

台湾や中国には、発酵液に豆腐を漬けた「臭豆腐」(チョウドウフ)という食べ物があるが、まさに読んで字の如し、臭気の点で日本人にはシゲキが強く、口にするのはなかなか勇気がいると聞いた。だが、ウィキペディア「臭豆腐」に掲載されている「臭い食べ物の代表例」10品目を見ると、7位の我らが納豆より格下で、最下位だ。

イベントの美食街には臭豆腐料理のお店もたくさん出ていて、これまで経験したことのない独特の香りが漂っていた。苦手な人がいるのもうなづける。だが、モノは試し。ほどよい分量の臭豆腐を見かけたので食べてみた。

このお店の臭豆腐は細長く切って揚げてあり、歯ごたえはまさに日本の厚揚げだ。ひと口、ぱくり。じわじわ忍び寄る香りは、納豆とはまったく違う。どちらがシゲキ的かと聞かれても、食べ慣れたものとそうでないものとではおのずと答えが決まって、やはり「臭豆腐の勝ち〜」になっちゃうけれど、想像したほど食べにくくもなかった。

地元の人でも好みが分かれるというだけあって、食べやすく工夫するものらしい。私がいただいた臭豆腐の「工夫」が、これまた美味だった。甘辛酸っぱいタレ、2本の臭豆腐に挟まれた、よく熱の通ったたっぷりキャベツ、そして、パクチーの爽快感が、臭豆腐のシゲキから十分に注意をそらせてくれるのだ。おかげでめでたく完食できたのだった。ごちそうさまでした。

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