トップ旅の扉

 映画"School of Rock"評 

リチャード・リンクレータ監督といえば「ウェイキング・ライフ」があるが、これは私にとって衝撃的ともいえる作品だ。その監督が、映画の宣伝文句だけを見る限りストーリは単純で、ありきたりとしか思えない映画をなぜ監督したんだろうと思ってしまった。しかし、逆にそれがSchool of Rockを見てみようと興味を引かれた点でもあった。

バックに使われている音楽や、主人公がロック史の講義で黒板に書いた系譜だけでも、音楽ファンにとっては十分満足できるものだろう。

しかし、作品はそこで終わらない。先の見える内容、そして、あまりにも非現実なシチュエーションでありながら、ぐいぐいと引き込まれる不思議な魅力で、見終わった後は何ともいえない爽快感があった。監督からも、主人公をはじめとするどの出演者からも、音楽への愛情と熱意がひしひしと感じられた

お金欲しさと目立ちたいがために、主人公が自分自身で演奏できるバンド作りに生徒たちを利用し、生徒たちと一緒にバンドを成功させる、という変遷のステップ、そして、生徒たちが徐々にロックに目覚めていくところは、ある意味、「ウェイキング・ライフ」(目覚めの生活)に通じるのかもしれない。

yo!!
19, July, 2004

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