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Tea in Marrakech

マラケシュ滞在5日目
4月10日(火)

メナラ庭園
壁に落ちたヤシの陰。メナラ庭園にて。

メナラ庭園 Jardin Menara

メナラ庭園

観光のできる最後の日。朝、メナラ庭園へ行った。かなりの広さで、まんなかに貯水池がある。池を見下ろすような格好で、2階建てのパビリオン(離れ)がある。上の階に上がると、貯水池やオリーブの広がる庭園が見渡せる。メディナのクトゥビアも見えるし、遠く、アトラス山脈も望むことができる。とてものどかで、メディナの喧騒を逃れるにはぴったりの場所だ。地元の人のデートコースでもあるらしい。

左の写真はメナラ庭園のパビリオンである。建物や木のはるか向こうに、アトラスの頂がうっすらと写っている。

スークで楽器を買う

ゲンブリ
 ↑ゲンブリ

翌日は帰国ということもあって、午後、メディナに出かけ、スークでの値切りショッピングに挑戦した。前々日にチェックを入れておいた、バラフォンやコラなどを扱う楽器店へ行った。どの楽器もおみやげ向きではなく、演奏用の楽器を扱うお店だ。

私が買おうと思ったのは、ゲンブリとカルカベだ。どちらもグナワで演奏する楽器である(グナワは、黒人が奴隷としてモロッコに連れて来られた際、伝わったといわれる音楽)。ゲンブリは弦楽器で、木製のボディに羊と思われる革が張ってある。私が買ったのは、小型の3本弦のゲンブリだ。素朴な、とてもいい音がする。カルカベは、鉄でできたカスタネットのような楽器で、グナワでは両手に1つずつ持って、8分の6拍子のリズムで演奏したりする。

ゲンブリと、2個ひと組になったカルカベを、値切って275ディラハム(3,850円)で買った。この値段が妥当かどうかはわからないが、お店を出て楽器を持って歩いていたら、地元の人に「それ、ゲンブリだろう。いい物を買ったな」と言われたので、品物は悪くないと思う。何より自分で納得し、気に入ったものを手に入れることができた。そのあたりがスークで買いものを楽しむ極意かもしれないと感じた。

カルカベ
↑カルカベ

ゲンブリの包みは、帰路、各地の空港で係の人の注意を引くことになった。マラケシュ空港とフランスのシャルル・ド・ゴール空港では、チェックインやセキュリティ・チェックを通るたびに、係の人から包みの中身を確認させてほしいと言われたので、袋を開けてゲンブリを取り出すと、どの人も驚いて、「いい買い物をしたね」と言ってくれた。革が使われているので、日本の税関で問題になるかもしれないと思ったが、中身を取り出すとすんなりOKが出て、何ら問題なく自宅まで持って帰ることができた。

買い物の話に戻るが、ベリーダンスで使うカスタネットの「ジル」と、砂漠特有の鉱物の結晶「砂漠のバラ」を売っているお店を見つけておいたので、おみやげに買おうとしたのだが、それらしき場所を何度探してもどうしても見つからなかった。スークの迷路ではこういうことがよくあった。

屋台も含めて、CDを売っているお店がたくさんあったのだが、ベルベルやグナワよりも、アルジェリア生まれ、フランス在住のミュージシャン、ラシード・タハがよく流れていた。マグレブ三国(モロッコ、チュニジア、アルジェリアのこと)の人たちにとって、世界的に成功したアラブ系ミュージシャンのタハは、ヒーロなのかもしれない。

Tea in Marrakech

買い物のあと、ジャマ・エル・フナ広場を一望できるカフェに入ってみた。お茶が15ディラハム(210円)なので、確かに値段は高めではあるが、ゆっくり景色が楽しめるので、決して損ではない。

ジャマ・エル・フナ広場のカフェにてジャマ・エル・フナ広場のカフェにて

夜まで広場にいて、グナワが基本の合唱を聴いた。すごい合唱だった。この旅最後の、ジャマ・エル・フナ広場の夜を飾るにふさわしい音楽であった。

<完>

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