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鉄道切符の予約


高速列車アルファ・ペンドゥラール(左)、リスボン・オリエンテ駅
左はポルト・カンパニャン駅に停車中の高速列車、アルファ・ペンドゥラール。右はリスボン・オリエンテ駅。

観光シーズンが始まり、鉄道も混雑が予想されたので、前もってインターネットでCP(ポルトガル鉄道)の列車を予約した。今年1月、リスボンとポルトの間を高速列車で往復した時は、行きも帰りも7割程度の乗車率だったが、今回は夏場だけあって満席に近かった。ドウロ渓谷観光列車も、今シーズンの運行が始まったばかりなのに大盛況だった。どの列車も早めに予約してよかったと思う。私たち2名が予約したのは次の3本の列車だった。

  • リスボンからポルトへのアルファ・ペンドゥラール(以下、AP)
  • ポルトからリスボンへのAPと車内ランチ
  • ドウロ渓谷観光列車

CPのサイトはほぼ完全に英語に対応している(「リンク・アドレス集」参照)。一部だが、予約ページにはポルトガル語表記の個所もあった。予約の手順自体はシンプルでわかりやすいが、何度かエラー終了に見舞われた。以下、鉄道切符の予約で滞った点を中心にご報告しようと思う。

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myCPの会員登録をする

インターネットによるチケット予約・発券システムとして、CPには'netTICKET'がある。このシステムを利用するためには、まず、myCPにアカウントを作り、氏名、電子メールアドレスなどの個人情報を登録しておく。アカウントの作成でつまづくことはなかった。

myCPにログインすると、予約した切符のダウンロード(PDF形式)、購入履歴の確認、列車の運行状況のチェックなどができる。

アルファ・ペンドゥラールを予約する

netTICKETでは、APとインテルシダーデス(IC)について出発の60日前から予約を受け付ける。代金はクレジットカードで支払う。乗車日の5日前までに購入すると、40%の早期予約割引を受けることも可能だ。通常の切符と異なり変更やキャンセルはできないが、旅程がすっかり固まっていたので、APの割引き切符を購入した。1人通常42.4ユーロのところ、25.5ユーロはかなりおいしい(5,978円→3,595円)。

まず、主なAPの予約項目と私たちの予約内容をざっと挙げておこう。

  • 座席指定のページは、窓際・通路側といったおおまかな選択をするページと、具体的な座席を指定するページとに分かれている。電源コンセント付きの座席を指定した。
  • 個人データを登録する。ID(身分証明)としてパスポートを登録した。
  • 通常運賃と割引き運賃のいずれかを選択する。上述の通り、もちろん割引き運賃。
  • 列車によっては食事の予約も可能だ。ポルトからリスボンへの便で昼食を予約した。「おいしいもの」参照。
  • 支払いについての情報を入力する。netTICKETで支払うのは切符代だけで、食事を予約した場合は食事代は車内で支払う。

クレジットカード決済が完了すると、PDF切符へのリンクのある画面が表示される。メールボックスをチェックしたら、2人分のPDF切符が添付された予約確認メールが届いていた。続いてmyCPの利用履歴をのぞいたら、こちらからもPDF切符がダウンロードできるようになっていた。昼食を予約した列車では、PDF切符に昼食券がついてきた。ばんざい。

エラー終了を除いたら、予約手続きで困ることはほとんどなかった。少々悩んだのは、昼食のセクションだけポルトガル語だったことと、支払い情報のセクションで'Ticket details for tax purposes'が何なのかわからなかったことだけだった。後者は税金に関するもので、ポルトガル国民が対象らしいことから空欄のままにしたが、発券時も乗車時も特に問題はなかった。

昼食セクションのポルトガル語については、切符といっしょに予約すると10%OFF・このチャンスをお見逃しなく、なので、オンライン辞書を頼りに難関を乗り切ったのだった。次の画像のように、Pré-reserva de Refeição(「お食事の予約」。ピンクの円)にチェックを入れると昼食のセクションが現れる。


昼食の種類を指定する
  • Passageiro(青い四角):乗客ごとに料理を決める。この例では「お客さん・その1」について設定しようとしている。
  • Comboio(緑の四角):列車番号。この例ではAP124号。
  • Refeição(水色の四角):プルダウンメニューの中から料理を選ぶ。下記「食事の詳しい内容と料金」参照。

何にするか決まったら、オレンジ色の'Adicionar'(追加)ボタンを押す。'Remover tudo'は取り消しボタンだ。

さて、予約における最大の問題はエラー終了だった。3回の予約のうち、すんなり完了したのは最後の1回だけで、2つの予約で合計3回やり直しになった。とほほ。最後の最後、クレジットカードの決済待ちの間に「エラーだから最初からやり直してね」メッセージが出た時は、ダンジョンの奥でラスボスに打ちのめされたような敗北感を味わった。やり直しはいたしかたないとしても、請求だけ来て切符が取れなかった、の事態が一番困る。しばらく待っても予約確認メールが届かないことと、myCPの利用履歴(反映が早い)に何も入っていないことを確認して、予約も請求も行われていないと判断した。この文章を書いている今になっても重複して請求されたりしていないので、エラーの起きた予約は無事に(?)失敗したようだ。


昼食券のついたCPのPDF切符
↑APのPDF切符をA4版の紙に印刷した。上半分が切符、下半分は昼食券。画像は切符と昼食券だけ切り出したものだが、実際には用紙の左半分に券の類が、右半分に利用説明が印刷される。少々体裁が悪いのだが、QRコードなど、画像の一部にモザイクをかけてある。

【食事の詳しい内容と料金】

CPのサイトを英語に切り替えて、左端のメニューから'Traveling in Portugal'→'Alfa Pendular'→'Features'→'Services'の順でたどる。'Catering'内の'Consult the Menu'リンクをクリックすると、PDF形式の食事メニューが表示される(ポルトガル語のみ)。メニューには料金も記載されている。

私たちはnetTICKETで切符といっしょに食事を予約したため、10%割引きが受けられた。通常14.5ユーロのところ、13.05ユーロだった(1,840円)。食事中と食後の飲み物も料金に含まれている。

ドウロ渓谷観光列車を予約する

CPのサイトを英語に切り替えて'Historic Train'で検索すると、ドウロ渓谷観光列車の英語版プログラムが見つかる。今年の運行スケジュールは5月初めに発表になった。初回催行分が予約可能になると、プログラムのトップページに観光列車専用のnetTICKETが現れる。駅の窓口なら、一般のCPの列車と観光列車がセットになったお得な切符が買えるが、netTICKETでは観光列車のみの取り扱いで、料金は1人35ユーロだった(4,935円)。

予約の手順は基本的に上記のAPと同じだが、入力項目はAPよりいくらか少ない。座席は自動的に指定され、変更はできない。


ドウロ渓谷観光列車のPDF切符
↑ドウロ渓谷観光列車のPDF切符。A4版の用紙の左上に印刷される。用紙の右半分には利用説明が印刷される。

切符を印刷したら、レグア〜トゥア間の往復のはずなのに、行きの分しか印字がないことに気づいた。不安がどろぉ〜っと押し寄せる。予約が完了した時、間違いなく'Return'(往復)と表示されたのに。さらにオソロシイことに、myCPをのぞいたら、なななんと、こちらも'One Way'(片道)になっていた。だが、案ずるに及ばず、実際の旅行では行きに改札があっただけで、何ら問題なくトゥアまで行って帰って来ることができた。今となっては笑い話だが、往復切符ならそう書いてよね〜、である。

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